こんにちは。編集長のゆきこです。
コロナ禍で大打撃の水商売業界。
あらゆる方が、これまでとは違った選択を迫られ、頭を抱えていることでしょう。
そんななか、いやでも向き合うことを余儀なくされたのは、自分の仕事へのスタンスではないでしょうか。
コロナ禍以前から、「色恋営業にはどう向き合うべきか」「自分の強みはなにか」という悩みを抱えていたホステス・キャバ嬢さんは多くいたはず。
わたし自身もそうでした。
今回は、わたしが水商売の大先輩からそんな時に教えていただいたことをもとに、ひとつの考え方のご提案をさせていただこうと思います。
夜のお店での料金設定とは
お酒が入る席だと、ごく一般の方が思う料金設定は「お酒の料金」「場所代」などととらえてしまいがち。
夜のお店に多少なりとも関わる人であれば、「楽しい時間を提供する料金」と考えてくださる方も多いかもしれません。
どれもその通りなのですが、もっとつきつめた表現をすると、要は「お客様がほしいものを提供することで、お金を払ってくださる」ということになります。
たとえば…
- 日ごろのストレスを忘れて楽しく飲んで騒ぎたい
- 「自分はかっこいいんだ!素晴らしい人間なんだ!」と感じたい
- 愚痴を言いたい
- 疑似恋愛を楽しみたい
女性がいる店であれば、そこに多かれ少なかれ、「もしかしたらこの子と仲良くなったら、男女の仲になれるかも…」という思惑も加わるでしょう。
(ちなみに、そこに容姿や年齢は関係なく、男女である以上必ず起こることだとわたしは考えています)
それを踏まえてわたしたちが提供できることは、たとえば次のようなもの。
- 楽しく飲んで騒ぎたい →思いきり盛り上げる
- 「自分は素晴らしい人間なんだ!」と感じたい →思いきり承認する・お金を使っていただくことを喜ぶ
- 愚痴を言いたい →お話をひたすら聞く
- 疑似恋愛を楽しみたい →ちょっとしたイチャイチャや、口説きのやりとり
使っていただく金額の大小はありますが、「求めたものを提供してくれる」から、お客様は納得し、見合った対価としてお金を支払ってくださいます。
これは店で使うお金の金額というより、プレゼント・タクシー代・同伴&アフター代、そしてお客様がこちらに注いでくださるエネルギーと考えていていいでしょう。
トラブルが起こる理由
では、水商売にありがちなトラブルはなぜ起こるのでしょうか。
これは、「お客様がお金を支払ってまで求めるもの」と「こちらが提供するもの」にズレがあるからです。
たとえば、色恋トラブルを例に挙げると、「本気で彼女がほしい」「本気であなたと付き合いたい」ということを求めているお客様がいても、こちらの提供するメニューに「本当の彼女になる」がないということです。
中華料理屋さんに入って「ナポリタンスパゲティが食べたい」というお客様がいらしたら、たいていの中華料理屋さんは「すみませんが、当店にはそのメニューはお取り扱いがございません」とお断りするでしょう。
「当店でお取り扱いするメニューの中であれば、十分にあなたを満足させられるよう尽力します。しかしそうでなければ、ほかのお店に行っていただくしかありません」というスタンスです。
お客様も、「お金を払っても食べたいものが食べられない」とわかれば、「じゃあほかのメニューにしようかな」もしくは「じゃあほかのお店にいくね」となります。
通常の飲食店なら当然のやりとりなのに、なぜか水商売ではこの感覚が鈍ってしまうのです。
トラブルになるホステスやキャバ嬢は、「自分の中にないメニュー(本命彼女になる)を求めている」と気づいているのに、「もしかしたら、たくさん通ってくだされば、あるいはたくさんお金を使ってくだされば、いつかあなたが欲しいメニューを出す可能性がありますよ」とお客様に伝えてしまいます。
実際その通りならば良いのですが、トラブルになる女性の多くは、そのつもりもないのにそういうそぶりをしてしまいます。
真に受けた男性は、それならば…と足しげく通い、たくさんのお金をエネルギーを使います。
やがて男性は不信感を抱き始めます。
「どうしてこんなにお金とエネルギーを使っても、本当に欲しいメニューを出してくれないんだ!」と。
その思いが爆発したとき、トラブルになってしまうのです。
色恋営業は悪ではない
これは個人的な考え方ですが、わたしは色恋営業自体を悪いことだとは思っていません。
得意な人はやったらいいと思いますし、覚悟を決めて臨まれる方は素晴らしいと思います。
また、お客様と結ばれるホステス・キャバ嬢もたくさん見てきました。
一夜を共にしたり、本当の彼女や愛人になったり、結婚したり。
それはそれで、当人同士が納得しているのであれば、何も問題はないとも思います。
問題は、トラブルを招いて、せっかく育てたお客様との関係を壊してしまう女性。
それを何度も繰り返してしまう女性。
あるいは、ヘルプなのにほかの女性のお客様や店客とそのようなトラブルを起こしてしまう女性でしょう。
覚悟を決めて色恋営業をしていれば、もし関係が壊れても後悔することはありません。
覚悟が決まっていないからこそ、万が一のときに思い悩んでしまうのです。
もしこのようなことで悩むことが多いのであれば、やはり女性側がスタンスを変える必要があります。
誠実に向き合うこと
今回は色恋をわかりやすく例に挙げましたが、ほかのことに関しても同じこと。
「うちのメニューはこれです!」と常にわかりやすく示しておき、それと違うものを求められたら、お金をいただく前に「ちょっとわたしでは難しいです」と言葉や態度で示すことができれば、大きなトラブルにはなりません。
利益を優先して、できもしないことをできるかのように振る舞うと、「対価に見合わない」とお客様が感じてしまいます。
この利益とは、必ずしもお金の面だけではありません。
「ちやほやされたい」
「自分の存在価値を感じたい」
「ほかの女性に負けたくない」
これらも立派な利益です。
誠実に、お客様に自分が提供できるものを示し続けること。
そうすると、そのサービスを求めてくださるお客様がきっとあらわれます。
自分の強みを見つけ、自分のできることにひたすら取り組んでみてはいかがでしょうか。
(ライター/編集長・ゆきこ)
ゆきこ
Nadeshico編集長。
現役ホステス。活動エリアは銀座。
派遣ホステスとして約90店舗を経験後、スナック・ラウンジなどで勤務。
現在はオンラインキャバクラのサービス運用代行業なども展開。
ゆきこは赤坂Bar LiANのカナママと共同instagram更新中。(@kana.yuki.tokyo)ホステス・キャバ嬢におすすめのノウハウ動画などを公開しています。
