春めいた日々が過ぎ、夏に向けてあたたかい日が増えていく季節。
普段から着物を着ているひとにとっては、5月頃から「夏着物」を選ぶことになるでしょう。
また、これから夏本番になると、七夕祭りを控え、浴衣で接客するホステスやキャバ嬢も増えるはず。
周りとは一線を画すには、「夏着物」を着こなすのがおすすめです。
たまにしか着物を着ないホステスはレンタル着物を活用すべし
正直なところ、着物はルールが難しい印象があるため、着るのをためらってしまうという人も多いかもしれません。
もし自分で着物をもっておらず、着付けもできないという場合には、いっそのことすべてをお店の人にお任せするのが一番です。
夜のお店に向いている柄や、その人のポジション(ママなのか、ごく一般のホステスなのか)や、どんな色や柄が似合うかを判断してくれるので、間違いがありません。
夜のお店の界隈にある着物レンタル店であれば、価格競争もあるため、リーズナブルに対応もしてくれるでしょう。
なお参考までに、銀座でのレンタル相場は、安いところで8,000円台~。1万円前後でレンタル可能ですが、予約に限りがあるため必ず早めに確認しましょう。ここに着付け料金で2,000円~みておくと良いでしょう。
ホステスが夏着物を選ぶときは素材・柄・文様に注意
自分で着物を持っている場合など、レンタルせずに着物を選ぶ場合、素材や柄えらびが重要となります。
着物は季節ごとに適した素材や柄が違うため、季節外れのものを選ばないように気を付けましょう。
こういったルールについて「もっと寛容に考えるべき」という声もあるものの、お客様のなかには気にする方もいるでしょうから、ベーシックな路線をおさえたほうが安心です。
ホステスが知っておくべき「夏着物」とは?
裏地のついた袷の着物が暑く感じられる5〜6月ころと、残暑である9月には、裏地のない「単衣(ひとえ)」を着るのが一般的です。
夏本番の7〜8月は、単衣の中でも特に「薄物」の着物を着るのがよいでしょう。
薄物とは、薄く、透け感のある着物のことです。
単衣は6月から(暑さが厳しい場合には5月から)着用し、薄物を挟み、9月9日の「重陽の節句」以降、また単衣に戻すのが正確な時期とされています。
ホステスが選ぶべき夏着物の素材とは
夏着物 単衣に使われる素材
単衣に使われる素材は、絽縮緬、絽紬、夏結城、夏大島、木綿など。
麻は、初夏である6月頃にのみ選ぶようにします。
袷と同じ素材である綸子や縮緬などは、5月中や、お彼岸である9月23日以降に着るのが良いでしょう。
夏着物 薄物に使われる素材
薄物には、絽、紗、麻、絹紅梅といった、素材が使われています。
これらは透ける素材であり、下の長襦袢が見るため、長襦袢と着物の寸法が合っているかどうかにも注意を払いましょう。
また、縮みと呼ばれる素材の着物も夏着物として着られています。
ホステスが選ぶべき夏着物の柄
おすすめの柄は次の通り。
- 紫陽花(5〜7月)
- 百合
- 瓜科の植物(すいか、とうがん、かぼちゃ、へちま、きゅうり、ひょうたん)
- 桔梗(残暑)
- 撫子(残暑)
- 柳(抽象的なものは通年)
ほかにも夏を象徴する柄は次のようなものがあります。
鉄線・萩・女郎花・葛・芒・藤袴・稲・芭蕉・葦・秋桜・茶屋辻・波・雪・流水・稲妻・雨・武蔵野・鯉・蜻蛉・千鳥・貝・魚・団扇・網干・舟・蛇籠・麻の葉・籠目
季節の草花モチーフを着る際の注意点
着物のルールとして、「季節を先取る」というものがあり、季節ぴったりの草花のモチーフがあしらわれたものより、一歩先の季節の草花のモチーフを取り入れるとおしゃれとされています。
逆に、季節ぴったりのものや、季節外れのものは着ない方が良いでしょう。
夏におすすめの着物の柄:紫陽花
梅雨から真夏にかけて咲く紫陽花は、季節の先取りとして考えると、5〜7月頃に着る着物として適しています。
夏におすすめの着物の柄:撫子・桔梗などの秋に咲く花
季節を先取るという点で、秋に咲く草花は残暑には向いた柄となっています。
通年着られる草花の柄・文様
着物に次の草花の柄・文様が描かれている場合は、通年着られると思っていて良いでしょう。
梅、桜、松、竹、笹、牡丹、瓜、柳、楓、紅葉、菊、葡萄、桐、橘、椿、唐花、唐草、柘榴、薔薇、蓮
または四君子(蘭、竹、菊、梅)や四季折々の草花が合わせて書かれているもの
ホステスも夏着物で美しく着飾ろう
着物のルールには諸説あり、人や呉服屋によって違ってくるということもあります。
夏着物のポイントはいかに「涼しげに着こなす」かどうかです。
最終的には本人が着たいものを着るというのが一番良いでしょう。
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