ホステスとして働く上で、気になるのが「確定申告」のこと。
ホステス一本で生活している人はもちろんですが、ダブルワークでホステスをしている人にとってはなおのこと、「どのようにするのが良いか」迷うことも多いことでしょう。
今回は、ダブルワーク組のホステスに向けて、確定申告の疑問にお答えします。
副業ホステスでも確定申告はするべき
確定申告は、個人事業主や自営業者の方々が、税金をおさめるにあたって行うものです。
会社員でも確定申告をすることで還付金を受け取れることがあるため、活用している方もいるでしょう。
会社勤めをしている人は、たとえ会社で年末調整をしていたとしても、会社の給料以外に収入がある場合、きちんと確定申告をして税金をおさめなければいけません。
副業ホステスが確定申告したら会社バレする?
ところが、副業ホステスで会社勤めをしている人にとっては、「確定申告をしてしまったら昼の会社にバレるのではないか?」というのが一番の懸念なのではないでしょうか。
これはホステス業に限らず、副業で収入を得ている人が懸念するポイントかもしれません。また、この点が心配で、そもそも副業を始めることにためらいがあるという人もいることでしょう。
結論から言うと、正しいプロセスで確定申告をすれば、会社にバレる可能性を低くすることができます。
むしろ正しく確定申告をしないほうが、バレるリスクが上がります。
マイナンバーを提出するとホステスをしていることが会社にバレる?
2016年以降、すべての店舗ではマイナンバーの提出が義務付けられています。
これは、税金を確実に納め、納め漏れをなくすために導入されたシステムです。
店舗によっては「当店はマイナンバーを提出しなくて良いので、昼の会社にはバレない」と言う店もありますが、これは脱税にあたるだけであって、何の保証もありません。のちのち提出義務が発生する場合もあります。
また、そういうグレーな行為を推奨する店は、別の場面で摘発される恐れもあるので、注意しましょう。
マイナンバーを提出していなくとも、雇用先の店舗が提出する支払い調書によって、税務署はどこにいくら支払ったかを把握できます。
確定申告をして税金を納めていなければ、その分を勤め先に通知して、給与から天引きするという仕組みになっています。
逆の言い方をすると、正しく確定申告をして税金を納めていれば、昼の勤め先に通知されることもなく、バレる心配が減るということでもあります。
副業ホステスが基本の確定申告(特別徴収)をする場合
会社にバレないように確定申告をするには、いくつかコツがあります。
まず、基本的な方法で確定申告すると、本業分と副業分を合算した年収から住民税を算出され、本業の勤め先に通知されることになります。
これを「特別徴収」といいます。
これによって、「他の人よりも住民税が高い」という理由で、副業しているのではないかとあやしまれるというのが、会社バレしやすい経緯となります。
ただし、ナイトワークに限らず、どの副業においても、基本的には「どこでどう得た収入が住民税に反映されているか」は会社にはわかりません。
なので、この方法で申告し、何か会社から尋ねられた場合も、「不動産を相続した」「権利収入・不労所得を持っている」などの理由を伝えれば、問題なくやり過ごすこともできます。
また、住民税が増えると言っても、そもそもかなり大きな収入でないと、大きく住民税が増減することはないでしょう。
週一勤務・日給にして一万円未満…という働き方の人は、あまりこの点でバレることを心配する必要はないかもしれません。
副業ホステス分の税金を自宅に通知する方法
違った確定申告の方法で、本業の会社へ高い住民税が通知されるのを防ぐこともできます。
それは確定申告をする際に「住民税に関する事項」の「住民税調整方法の選択」を「普通徴収制度」とし、選択欄に印をつけるという方法です。
これは、本業の勤め先での収入に対する住民税と、副業での収入に対する住民税を分けるという方法です。
本業の住民税は本業の勤め先に、副業の住民税は自宅に通知されます。自宅に届いた住民税は、自ら銀行の窓口などで支払うこととなります。
ただし、住んでいる地域によっては、この普通徴収の選択に対応していない地域もあります。
また、近年、上記のように「普通徴収」にチェックを入れたにも関わらず、本業の勤め先に通知が行くという事例もあるようです。
これは、市区町村によっては、税金の未納を防ぐため、より確実な特別徴収に一本化したいという方針のようです。
したがって、まずは自分の住んでいる市区町村が「普通徴収」に対応しているのか確認するのが良いでしょう。
ネット上では、「念のため問い合わせをしたら対応してもらえたが、そのまま提出したら特別徴収にされるところだった」という報告もありました。
担当者に一度「普通徴収はできない」と言われたとしても、本当にできないのかどうか必ず確認するようにしましょう。
また、たとえ住んでいる地域が普通徴収に対応していないとしても、先に書いたように、会社にはどこの店でどのように働いているかなどはバレることはありません。
まずは、しっかりと正しく確定申告し、税金を納めることをしていきましょう。
ホステスの確定申告では経費として申告できる幅が広い
なお、確定申告をするということは、経費の申告もできるということです。
ホステスは見た目が勝負の仕事でもあります。また、お客様への接待や営業も重要な仕事。
美容代、衣装代、交通費、接待交際費としての食事代やお土産代など、会社員の仕事では賄えない部分も経費として申告することができます。
領収書をとっておき、賢く確定申告をしていきましょう。