さまざまなエリアや働き方をご紹介していく本企画。今回のお相手は、キャバクラでナンバーワンを獲得するなどして活躍し、現在は昼間の営業職に注力しているミサキさん。
キャバクラ時代の売上を上げる秘訣や、モチベーションの保ち方についてお話を伺いました。
今回のインタビューのお相手
名前:ミサキさん
ナイトワーク歴:板橋区のキャバクラにて2年ほど勤務。20代前半で退店し、4年前に昼職に移行。キャバクラ時代にはナンバーを継続し売上を上げ続けた。
「スーパーヘルプ」でいたことで指名が増えた
-元々、ナイトワークを始めたきっかけは何だったのでしょうか?
学生の時から一人暮らしをしていたのですが、当時は、学費以外の生活費は全て自分で稼がないといけませんでした。
普通の飲食店でのバイトでは限界があったので、ナイトワークを始めました。
-ミサキさんはナンバーワンを獲得するほど売上を上げていたそうですね。その秘訣は何なのでしょうか?
わたしの場合は、お店のお姉さんがたが退店するたびに、指名がわたしに移って増えてきたこともありました。
それまでは基本的に「スーパーヘルプでいる」ことを意識していました。
やるべきことをきちんとやってさえいたら、周りも信頼し、期待してくれるので、先輩がたからお客様を紹介していただけたり、席に呼んでいただけるようになったという経緯です。
お店からしても使い勝手が良かったのか、わたしの場合は、クセのある色恋系のお一人様、女性客、また、丸椅子に座るような、いわゆる一番立場が下のお客様を任されることが多かったです。
お皿洗いとか、雑用のようなことまで頼まれていましたね(笑)
ただ、そういう場で、それぞれ全力を尽くしてきました。
クセのある色恋系のお客様が、毎週通う太客になったり、丸椅子のお客様が毎回場内指名をくださり、一年以上かけて本指名をくださるようにもなりました。
今も昼の仕事を応援してくださる方もいます。
元々は指名をしないタイプの「店のお客様」が、長い時間をかけてわたしを指名してくださるということもありました。
-それはすごいですね…!その「毎週通う太客」のお客様はどのような経緯でそのようになったのですか?
その方は、最初はボトル一本でねばるような方で、女の子にドリンクも飲ませないような方だったんです。
ただ、元々、お金はある方。
そこから徐々に関係を深め、何でもない日にシャンパンをねだってみたり…と少しずつお願いをしていき、最終的には、毎週来店するたびに、お一人で10万円は使っていくようになりました。
色恋のお客様への接客のコツ
-色恋のお客様だと、それなりに大変なこともあったのではないでしょうか?少しでも長く通っていただくために工夫したことはありますか?
色恋系のお客様のときには、「この人はわたしの彼氏」と思い込んで接客するようにしていましたね(笑)
一番太いお客様は、わたしと付き合っていると思っていたようです。
ただ、店外で会うことはほとんどなく、同伴も3回に1回程度だったのですが。
そういう方は当然店外デートに誘ってくるのですが、大きい約束をして、そこを目標にしてつなぐようにしていましたね。
たとえば、数ヶ月後にスポーツ観戦イベントを設定して、「イベント楽しみだね!」という風にしてそこを目標に通っていただくとか。
あと、そういうお客様は、どうしてもわたしでないと嫌だと言いがちなのですが、それでもヘルプの子に協力してもらい、2〜3人体制でフォローしてもらうようにしていました。
売上を上げたいときはヘルプの力を借りる
-売上を上げていくということは、お酒を飲む量も増えると思うのですが、お酒は強いのですか?
人よりは飲めるのですが、実はわたし、酒グセがすごく悪いんです(笑)しかも記憶も飛びます…。
なので、酔いすぎるわけにはいかず、ものすごく気を張るようにはしていました。最低限、お客様をお見送りするまではしっかりするように。
お店自体が、すごく飲むお店だったんです。なので、お酒を飲む量も当然多くなるのですが、そんな背景もあったので、やはりヘルプの子に助けてもらうことはすごく意識していました。
お客様にあらかじめ、ヘルプの子のことを紹介しておくんです。「こんないい子がいるの、紹介したいな」と。
自分が席を離れるときにその子についてもらっても、お客様が楽しめるように。あまりよくわからない子がついて、粗相があっても嫌なので、そこは信頼できる子に任せられるよう工夫していましたね。
あと売上を上げるコツとしては「店に来たら必ずいる」というスタンスにしていました。
連絡不精なので、早いレスポンスは得意ではないのですが「ミサキちゃんはお店に行ったら必ず会える」と思わせるというか。
なので、なるべく休まず出勤するようにもしていましたね。
おさわりするお客様への対処法は「ふざけてかわす」
-こういう仕事はおさわりもつきものだと思うのですが、どのように工夫していましたか?
できるだけふざけてかわすようにしていました。
もう二度と来なくて良いというお客様なら別ですが、そうでない以上は、できるだけ笑ってかわすように。深刻な顔をして怒っていては、他の席の雰囲気にも影響しますから。
わたしがよく言っていたのは
「右のおっぱいを触るならドンペリ白、左のおっぱいを触るならドンペリピンク入れてね!左のほうが大きいから高いよ!」
ですね(笑)
それで「ドンペリ〜!」なんて大きな声で笑ってると、黒服さんがちゃんと察してこちらに注意を向けてくれます。
気の利く黒服さんなら、「ドンペリですか?ありがとうございます!」なんてジョークを混ぜて、さりげなくおさわりを注意してくれるんですよね。
お客様は注意されただけでも、恥ずかしい思いをするので、それ以上さわってこなくなる方も多いですよ。
売上を上げることを楽しみながら、信頼も得ていった
-正直なところ、ミサキさんの当時の給与体系を聞くと、そこまで稼げるシステムとは言えない気がします。それでも、そこまで売上にこだわれた理由はなんだったのでしょうか?
もう、単純に売上を上げるのが楽しかったんですよね。
憧れの女の子がいて、その子はワイワイ楽しそうに飲んでいるだけなのに、すごく売上を上げていたんです。
わたしもそうなりたいなという気持ちもありました。
また、当時は一人暮らしで寂しかったというのも大きいかもしれません。
頑張れば頑張るほど、周りも認めてくれるし、上司と仕事後に飲み直そう!と昼まで飲んだこともありました(笑)
いじめに遭ったり、妬みから、事実でないことを言いふらされることもありましたが、それでも、普段やるべきことをしっかりやっていると、周りからの信頼は堅いんです。
それが嬉しくて頑張っていたというのもありますね。
辛いことがあったときは、とにかくお酒を飲んで泣いてスッキリしてました(笑)
-お客様との関わりの中で、思い出深いことはありますか?
いろいろありますが、辞めると決まったときに、サプライズでドンペリピンクを入れてくださったお客様がいらっしゃいました。
そのときに「今まで楽しませてくれてありがとう」と言われたんです。
お客様から認めていただけていた、と実感できる出来事でしたね。
編集後記
とても明るいミサキさん。
現在は、「昼職でキャリアを重ねたい」と営業職でチャレンジを続けています。
楽しみながら仕事に取り組み、大変なことも笑い飛ばしながら、周りと協力していく姿勢に感銘を受けました。
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