ホステスとして働く上で、同伴と同じくらいどのようにしたら良いのか迷うのは、「アフター」でしょう。
今回は特にアフター後の帰りの手段である、タクシーについての疑問にお答えします。
ホステスがアフターに必ず行くべきかどうかは業態による
アフターとは、営業時間後にお客様ともう一軒、お酒や食事を楽しむことです。
多くの場合はお店からアフターに関する手当はなく、終電や送りも逃してしまうため、アフターに行くかどうかはホステス自身に委ねられます。
アフターに必ず付き合うべきかどうかについては、エリアや店によってかなり見解が分かれてくるところでしょう。
高級クラブのホステスの場合、アフターも仕事の一つとしてなるべくお付き合いすることが一般的なようです。
逆に安めの店や、ダブルワークの女性がメインの店に関しては、アフターは必須の仕事ではないので自由、と考えることが多いようです。
お客様のなかにも、この違いを認識している人もいます。
アフターに行くにあたってホステスが注意すべき点
アフターのお誘いに乗るにあたって、注意しておかなければいけない点がいくつかあります。
アフターに行くかどうかの判断基準:タクシー代をいただけるかどうか
ひとつは、帰りの面倒を見てもらえるかどうかということ。
つまり、タクシー代をいただけるかどうかを確認することです。
以前は、自宅が近距離かどうかに関わらず、アフターに付き合ってくれた女性には最低でも1万円は渡す…というお客様も多くいました。
ですが最近では、タクシー代を出さずに、アフターだけを楽しもうとするお客様も増えています。
また、帰りの面倒を見るつもりとはいえ、その手段が
- 現金でタクシー代をいただけるのか
- タクシーチケットをいただけるのか
- 同じタクシーに同乗して自宅を経由していただくのか
も確認しておくべきポイントです。
タクシーに同乗して経由してもらう場合は、それなりにリスクがあることを考えておかなければいけません。
帰りの面倒を見ていただけない場合は、無理に付き合う必要はありません。
帰りの面倒を見ていただかなくてもメリットがあると感じる場合に、アフターに行くのが良いでしょう。
アフターに行くかどうかの判断基準:安全なお客様かどうか
先の項目とも関連しますが、アフターに付き合っても危険な思いをしないお客様かどうかを見極めることも大切です。
お店の外でお客様と会うということは、さまざまなトラブルに巻き込まれかねないということ。
特に、酔った勢いでホテルに連れ込まれそうになったり、タクシーに同乗して家の近くで押し問答になる…ということもよくある話です。
信頼できるお客様でなければアフターに応じる必要はないので、自分の身を守るのは自分だということを頭に置いておきましょう。
アフターをお断りする方法については、こちらの記事で紹介しています。
アフターの切り上げ方&ホステスだけ抜ける方法
自分自身が時間と体力が限界でも、お客様がもっと長い時間アフターを楽しみたい、というケースもあります。
多くの場合は、アフターは長くて2〜3時間と決めているお客様が多いものですが、その場のノリで気持ちが変わることもあるでしょう。
そういうことも見越して、アフターにお誘いいただいた時点で「◯時には帰りたいのですが問題ありませんか?」と伝えておくのが良いでしょう。
時間になったら「そろそろ限界で」とお伝えし、お客様一人でその店に残るのか、自分と共に帰るのかを話し合うのが良いでしょう。
高級クラブでのアフターに慣れているお客様の中には、最後までホステスも同席しないと気分を害される方もいますが、事前に時間を伝えておくことによってトラブルは最小限に抑えられます。
「昼の仕事の関係で、翌朝の予定がものすごく早い」など、やむを得ない事情があるという前提で、「あなたといるのは楽しいけれど、どうしても帰らなくてはいけないので」とお伝えしておきましょう。
アフター後のタクシーにおける注意点
アフターが終わり、お客様とタクシーに同乗する場合は、トラブルを避けるため、下ろしてもらう場所を家の前にしないほうが無難です。
少し離れた場所で下ろしてもらうことにして、家の場所が特定されないようにしましょう。
また、人目のないタクシーのなかでお客様が接近してくるというのは、ある意味避けられないことだということも覚悟しておきましょう。
送っていただいているので、可能であればある程度許容するのも良いですし、うまくかわせるようならかわします。
あまりにもつらいようなら寝たふりをするのもひとつの方法です。もちろん、最後までお話し相手になるのがベストですが、もめるようでは本末転倒です。
基本的には、一日の最後の瞬間ですから、気持ちよく終わりたいもの。笑顔で別れられるように工夫しましょう。
アフター後のタクシー代は差額を報告すると好印象
タクシー代が余った場合には、そのままもらってくれても構わないと考えているお客様も多くいらっしゃいます。
ただし、可能であれば「◯円余ったのですが、次回お返ししましょうか?」と連絡すると、好印象を持たれることが多いようです。
それでお釣りを求められるケースはあまりないと思いますが、逆にそういった気遣いができる女性だと、ますます魅力的に映ります。
タクシー代が現金ではなくチケットだった場合の注意点
いただいたタクシー代が現金ではなく、タクシーチケットだった場合は、使い方に注意が必要です。
タクシーチケットは、1万円まで、3万円まで…など上限額が決まっており、その範囲内で特定のタクシーを自由に使えるチケットです。
これを知っていると、アフター場所から自宅までの距離が近い場合、「今回は自腹で払って、もっと長距離でタクシー移動したいときに使いまわそう」と思ってしまうホステスもいるかもしれません。
しかし、タクシーチケットは企業が管理しているため、使った金額や使った日にちが、お客様の勤め先に伝わってしまいます。
お客様は、接待などの都合をふまえ、「この日・この程度の金額であれば、タクシーチケットをホステスに渡しても問題にならないだろう」と考えて渡している可能性があるので、そこから外れてしまうとお客様にご迷惑をかけてしまう危険があるのです。
タクシーチケットをいただいた場合は、その日のうちに、自宅までの料金から大きくはみ出さないように使うようにしましょう。
アフターは自己責任で行くこと
お店の目が届かないアフターは、あくまで自己責任で、行くかどうかを決めましょう。
お客様との関係をより良くするために行くものですから、アフターに行く場合も、トラブルにならないように気をつけましょう。