接客業では、困ったお客様への対応は悩みのタネ。ホステス業においては、お客様と密な関係づくりをする仕事でもあるため、困ったお客様との付き合い方もデリケートです。
今回は、「おさわりの激しいお客様」への対処法をご紹介します。
ホステスの心得:基本はナイトワークでもおさわり厳禁
原則的に、水商売・ナイトワークだからといって、おさわりを許容する必要はありません。
そもそも性的なサービスを含む営業形態でない限り、スナックやバーはもちろん、クラブやキャバクラでも、おさわりは厳禁なのです。
ただし、お酒の入る場だからなおのこと、そうはいってもやたらと触りたがるお客様に遭遇することはあります。
ホステスの心得:おさわりの激しいお客様にははっきり伝えるのが基本
先に書いた通り、許容する必要はないので、基本的には「うちはそういうサービスを提供する店ではありませんから」と女性側が一蹴する権利はあります。
それでお客様が不愉快に思って怒られても、仕方ないと割り切って構わないでしょう。
高い日給をもらうお店などでは、ホステス側が「これも仕事」と割り切って、おさわりを気にしない場合もあります。
ただし、あまりにも放置しすぎると、店全体の雰囲気に関わりますし、他のお客様を不愉快にさせてもしまいます。
「おさわりはできませんよ」とやんわり伝えていくのが良いでしょう。
ただ難しいのは、完全なフリーやご新規ではなく、常連様のお連れ様でたまたまマナーの悪い人が混ざっていた場合。
また、完全ヘルプでついた席でそういうお客様に遭遇した場合などです。派遣ホステスでも、よく起こりがちです。
多くの場合は、周りがやめるよう促してくれるでしょうが、そうでない場合もあります。
こういう場合は、周りの顔を立てるために、あまりにもはっきり言い渡すわけにもいかず、対応が悩みどころとなるでしょう。
おさわりが激しいお客様への対処:男性スタッフから言ってもらう
一番、かどが立ちにくいのは、お店の責任者や男性スタッフから注意してもらうことです。
「お店の決まりなのでお控えください」と、女性からではなく男性から言われると、怒るお客様もいるでしょうが、「あくまでルールなので」と言いやすくなります。
ホステス側が言ってもやめてもらえない場合は、責任者や男性スタッフにお願いしてみましょう。
おさわりの激しいお客様への対処:言い回しに工夫をする
お店側がしっかり対処してくれない場合は、残念ながらそのお店が許容してしまっているということなので、自分自身でなんとかするしかありません。
距離をとって座れる場合はそうするのが一番ですが、そうもいかない場合は、まずは触られたときに「くすぐったがりだから、触られるの苦手なの!あんまり触ると怒るよ!」と笑ってかわしてみましょう。
「触るからいや〜」とわざと距離をとってみるのも良いかもしれません。
いずれの場合も、笑いながら、空気を悪くしないように言ってみましょう。
笑いながらたしなめて、度を過ぎたら「本当にやめて」とピシャッと締めるようにします。
また、「他のお客様が嫌な思いをしちゃうから」「スタッフに怒られちゃうから」ともっともらしい理由をつけて「ここではだめ」と、「あなたそのものが嫌いだからではなくて、TPOが悪いだけ」という言い回しをしてみるのもおすすめです。
おさわりの激しいお客様への対処:手を握る
それでもめげずに触ってくるお客様におすすめなのは、触ってくるほうの手を握り、動きを止めてしまうことです。
手を繋いだ状態になるので、お客様としても不満には感じにくく、それ以上あまり触られにくくなります。
同様に、お客様の手をとってマッサージしてしまうのもひとつです。
おさわりの激しいお客様への対処:話を盛り上げる
少し動きを止められたら、あとはいつも通りの接客を心がけ、できるだけトークを盛り上げることに集中しましょう。
お客様が気持ちよく話すように心がけ、真剣に話を聞きます。まじめなトークにまでもっていけたらこっちのもの。
安心感がある状態で話がはずめば、意外とそれ以上触ってこないお客様もいるものです。
おさわりの激しいお客様への対処:あえて反応しない
触られても動じず飄々としていると、それ以上触ってこないお客様もいます。
また「むしろ触って」と体をつきだすと、触らないお客様もいます。
これらは、触っても反応が薄く、面白くないと思うからなのでしょう。
来るも来ないもお客様次第、と割り切り、過剰に喜ばせることも過剰に嫌がることもせず、淡々と振る舞うのも手です。
おさわりの激しいお客様への対処:心を開くまでコミュニケーションをとる
関係性が作れたあとに、あまり触らなくなるタイプのお客様もいます。
これは先に書いたように、しっかりとした会話でのコミュニケーションがとれて、人付き合いとして成立し始めると起こります。
これは年月ではなく、お互いの心の開き度合いによるものなので、初回でもしっかり話し込めるようにしてみましょう。
マナーの悪いお客様ほど、唯一無二の関係を作れるチャンスかも?
どうしても、お酒が入る場になると、こういった悩みはつきまといます。ナイトワークでは避けられないでしょう。
自分に合わないお客様を無理につなぎとめる必要はありませんが、逆にそういうお客様とうまくやれるようになると、自分にもさまざまなメリットが生まれます。
マナーが悪いお客様は、大抵どこのお店でもマナーが悪く、ぞんざいに扱われてしまっているというケースもあります。
そういう方と人間関係をしっかりつくっていけば、むしろ長く離れにくい強固な関係を作れる可能性もあります。
自分なりの得意な方法を見つけ、お客様と唯一無二の関係を作っていきましょう。
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