インタビュー

オンライン接客のポイントとは?【赤坂ママと対談】

コロナ禍も時々刻々と変化していくなかで、現在東京は第三波が懸念されています。また、全国でも状況が変化している地域もあるでしょう。今回は、オンライン接客サービスについてのポイントについて、赤坂「Bar LiAN」の松下カナママと、編集長のゆきこが対談トーク。

今後状況が変化する中で、オンライン接客サービスの可能性について参考にしてみてくださいね。(※対談は8月に行いました)

オンラインキャバクラのメリット

カナママ:「ゆきこちゃんはオンラインキャバクラの代行業をやってるんだよね」

ゆきこ:「はい。どこかのオンラインキャバクラに在籍するほどでもないけれど、既存のお客様へオンラインサービスを展開したいホステス・キャバ嬢さんに向けて、面倒な手続きを代わりに請け負うサービスをしています。」

カナママ:「実際やってみて、どんな感じ?」

ゆきこ:「あくまでもわたしはこじんまりとしたサービスをしているので、自分のこれまでのお客様と、ホステス友達のお客様のサポートに徹している感じではあるのですが…。リアル店舗との違いで言うと、次のようなことですかね。」

①マンツーマン接客への耐性があるかどうか

わたしはもともとラウンジ(キャバクラ形式)勤務経験があるので、あんまり1対1の接客は苦ではないんですが。お客様も1対1で1時間…とかも普通に受け入れてくださる方ばかりなので。周りのキャバクラ出身の女の子も同じですね。

ただ、クラブのホステスさんはやっぱり大変みたいです。大人数で接客するのがスタンダードになってしまっているホステスさんは、画面を見て1時間マンツーマンで話すというのが、慣れていないので疲れてしまう。そういうお店に通うことが多いお客様も、同じ感想を持たれるようです。

なのでサービス自体は、キャバクラ勤務の子に向いていますね。使う側のお客様も、キャバクラ慣れしている方に向いているかと。

②お気に入りの子を独占できるメリットがある

キャバクラ形式のお店の女の子がオンラインサービスを使ってみて声としてあがってきたのは、サービスを気に入ってくれたお客様の満足した理由が、「お気に入りの子を独占できる」ということだったようです。

要は、リアル店舗では人気の子ほどキャバクラではひとつの席につけない時間が長い。指名が被るとあちこちの席に移動しないといけないから。ところがオンラインキャバクラだと、1対1なので1時間ずっと独占できるんですよね。

そういう意味では、ひと席数十分で成立していた女の子は、1時間マンツーマンはキツいかもしれないですけど(笑)ただ、お客様の満足度は高いですね。

家での通信環境やPC環境が整っている方の場合は、むしろ女の子を正面からずっと見ることもできるので、そういう意味でも満足度が高いようです。

③料金設定

料金設定は人によって考え方が違い、安くしているところもあるのですが、わたしは個人的には特に4~5月の自粛期間中はリアル店舗とさほど変わらない料金設定で行うことをおすすめしていました。

というのも、「リアルかオンラインか選べる状況」であれば、安くするメリットがあるのですが、緊急事態宣言が出たり時短営業要請が出ているなかで、「誰しもがリアル店舗に行きたくても行けない」のなら、無理に料金を下げる必要がないからです。

むしろ、先に書いたように人気の子を決まった時間拘束できるメリットも含めると、通常時の料金をもらうくらいがいいのでは?と思っていましたね。

④リアル店舗で指名をとれる子・オンラインで指名をとれる子

マンツーマンでの接客で、基本ヘルプが入れない以上、トーク力がある子でないとオンラインは厳しいと思います。見た目が良いだけの子はかなり難しいと思います。

口説きも1対1ですからね(笑)困った場面でも助けてくれる人もいませんし。基本的にふたりだけの空間ですから、色恋のお客様からの口説きをかわすのが苦手な女性も厳しいかもしれません。

もしマンツーマンがどうしても苦手だけどオンラインをしたい、という女性は、追加料金をいただくもしくは自分の報酬を分けるなどして、ヘルプの子をつけるのがいいかもしれません。zoomなどではそれなりに人数は入れるので、お客様さえ良ければそれもアリですね。

カナママ:「なるほどね。オンラインキャバクラだと、きっとお客さん側も逃げ場がないのよね。なんとなく横の席と話す、なんとなく同じ店内のなにかに気を向けられる、それとなくスマホを見れる…ということができないから。ずっと画面を見て目もそらさず正面から話すのって、疲れるよね。

ゆきこ:「そう、画面をずっと見て集中するのって、疲れるんですよ。」

オンラインスナックのメリット

カナママ:「わたしはね、オンラインって全く興味がなかったの。でももともといろんな人から『向いてるからやったほうがいい』って言われてはいたんだけど…。『リアルで会うからいいじゃん』ってずっと思ってた。

ゆきこ:「それが今回のコロナ禍で変わったわけですね。」

カナママ:「そう。4月5月自粛していて、5月からオンラインスナックを始めてみたんだけど。自分が始める前に、自分も参加者としてオンライン飲みを体験して。お客さん側の気持ちも考えたり。

7月からはスナックタウンというサービスに登録して始めてるんだけど。十数店舗ある中でも稼働率が結構よくて。そのなかでも、延長をとるにはどうしたらいいかとか、リピートしてもらうにはどうしたらいいかとか。リアルとはちょっと違うかも、かぶるところもあるけれど。実はスナックタウンのお客様って、スナックタウンで知り合った方ばかりなの。」

ゆきこ:「あ~、なるほど。」

カナママ:「ちなみに5月後半に2週間、毎日zoomを使ったオンラインスナック(自店のzoom飲み会のようなもの)を開催していたんだけど、そのときはもちろんリアルのお客様ばかり。沖縄や関西の人も来てくれたの。距離が関係ないっていうのは、オンラインサービスの最大のメリットだと思う。」

ゆきこ:「そうですね。全国どこからでも、世界からでもアクセスできる。」

カナママ:「そう!スナックタウンで一番最初に来てくれたお客様は、オーストラリアの人だったの。

ゆきこ:「えー!オーストラリア!」

カナママ:「時差があまりないみたい。あとは、やっぱり地方の方かな。」

スナックタウンでの接客風景

 

zoom飲み会形式のオンラインスナックは運営が大変

ゆきこ:「ちなみに自粛期間中にやっていた自店のオンラインスナック、大変そうでしたね(笑)

カナママ:「うん、大変だった(笑)。zoom飲み会と同じスタンスでやっていたので、大勢いても結局しゃべる人はひとりだったりとか。誰かが統制とらないと、しゃべりたくてもしゃべれない人が出てきちゃうの。それもあってスナックタウンを導入したんだよね。入れる人数が決められるから。ちゃんとお客様に向き合いたくて。

スナックタウンは30分単位、延長が15分毎に区切れるのも良くて。はじめましての人だと、30分がちょうどよかったりするんだよね。1時間だと、もし気が合わない人だとちょっとつらくなっちゃう。」

オンライン接客サービスで心掛けること

ゆきこ:「カナママがオンラインサービスで心掛けていることってありますか?」

カナママ:「はきはきしゃべることかな。オンラインは音声にムラがあるから、いつも以上に気を付けないと。あとは、相手がしゃべるときに真顔にならないこと。相手の話真剣に聞こうとすると、気を付けないと免許証の写真以下の顔してるから!

ゆきこ:「わかります(笑)」

カナママ:「なんていうの、眠いの?つらいの?みたく思われちゃうから(笑)だからなるべく口角を上げたりね。あとはすっごいうなずく!

ゆきこ:「大事ですよね、聞いてるアピール」

カナママ:「そうそう。あとは動きも、いつも以上にオーバーリアクションでね。2~3割増しくらいに盛るよね。信頼関係がある相手ならその辺の気配りは必要なくて、それじゃない気配りをするんだけど、スナックタウンのようにオンラインで知り合った相手の場合はかなり意識するよね。既存のお客様を相手にするオンラインなのか、新規のお客様を相手にするオンラインなのかによって違うんだと思う。

スナックタウン

わたしはね、『すごく好かれなくてもいいから嫌われないようにする』って水商売の大前提だと思ってるの。オンラインはまさにそれが出ると思ってる。

連絡先も知らない人と知り合える可能性があるからこそ、もう二度と会えないかもしれない、本当の一期一会だから。すごくいい印象じゃなかったとしても嫌な印象では終わらせないようにしないと。今日が最後かもしれないと思って毎回接するというか。」

ゆきこ:「スナックタウンで知り合った方と、いつかリアルで会えるかもしれないですね」

カナママ:「そうだと思う。東京に来たときなんかにね。『なんならお店にいくために用事つくるよ』って言ってくださる方もいると、すごくうれしい。」

ゆきこ:「いいですねえ~!」

カナママ:「世界が広がるよね。」

オンラインサービスに期待すること

カナママ:「今ソーシャルディスタンスが叫ばれていて、もうお店が満卓になることなんてないのかも…と思ったりするし、すごく複雑な気持ちになるよね。」

ゆきこ:「複雑ですね。混んでほしいけど、混んでほしくないような。」

カナママ:「そうなの。でもそれでもお店は維持していかなきゃいけない。そんなときにオンラインがあるといいなと思うの。1店舗にひと席はオンライン用、みたいな。もちろん、そこにスタッフがひとりかかりっきりになる、というのは考えていないといけないんだけどね。ただやればいいってもんじゃないから。」

ゆきこ:「そうですね、人件費とのバランスですね。」

カナママ:「ただ、マイナスがないならチャレンジしてみるのはアリだと思ってる。

あとやっぱり、リアル店舗では、スナックとかで団体客についてもひとりで回せる子もいれば、ひとり客とずーっと話していても苦じゃない子もいて。オンラインが『ひとり客が得意な子に向いている』のであれば、それを活かせるツールにもなればいいかな。」

(ライター/編集長・ゆきこ)

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■赤坂Bar LiANのカナママとゆきこの共同instagram更新中。(@kana.yuki.tokyo)ホステス・キャバ嬢におすすめのノウハウ動画などを公開しています。


ゆきこ
Nadeshico編集長。
現役ホステス。活動エリアは銀座。
派遣ホステスとして約90店舗を経験後、スナック・ラウンジなどで勤務。
現在はオンラインキャバクラのサービス運用代行業なども展開。

 

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